テンプレート(エッセイ)

活動報告

相田えぬ

 いつの間にか句歴が10年になっていた。
 自己紹介で「初心者です」と言うと、どこからともなく「その手は使えないよ」と言われるようになり、どうしたものかと思う今日この頃である。

 俳句をはじめてしばらくは、どこに発表するでもなく作って満足していたが、あるとき、藤田亜未さんに誘われてネットプリント「よんもじ」をはじめた。
 ネットプリントは、データをネット上にアップロードすることで、コンビニのコピー機でプリントアウトすることができ、離れた場所にいる人でも紙媒体として共有することができる。

 「よんもじ」をはじめて今年で5年目になる。
 メンバーは、西川火尖さん、諸星千綾さん、そして藤田亜未さんとわたしの4人。
 メンバーの連作7句とエッセイを掲載している。
 季節ごとにテーマを決めて、デザインは持ち回りで担当している。
 家でコピーしたものを各々句会で配布することもある。
 わたしは定期的に作品を発表する場として、とてもありがたく思っている。 そしてなにより、このネットプリントがもっといろんな人――できれば俳句を作らない人、普段読まない人の目に留まることを願っている。

 わたしが主に活動しているものに、もうひとつ、俳句合同誌『えぬとこうこ』がある。
 有瀬こうこさんが「発表の場を持ちたい」と言ってはじめたものだ。
 お互いに連作を持ち寄り、ゲストを招いて1冊の同人誌にまとめている。
 編集はわたしが担当しているが、編集作業は好きなので、Wordデータをいじるのはとても楽しい。
 ちなみにこの同人誌は手売りもしている。常にわたしの鞄の中に入っているので、ご入用の方はぜひお声かけください。

 創刊号は、「俳人のための五十の質問」と題し、お互いの質問に答えるというもの。
 2号ではわたしが鑑賞エッセイ、こうこさんがエッセイを書いた。
 この同人誌は、自己研鑽の場としても意味があるが、なにより「お金を出して買ってもらう」ということに重きを置いている。
 「読みたい」と思ってもらうためにはどうすればいいかを日々考えながら、わたしたち自身も楽しめるものを目指している。

 楽しむことに重点を置いているものもある。stand.fm(スタンドエフエム)という音声配信プラットフォームで、「俳句と暮らす ご自愛ラボチャンネル(ごじチャン)」という番組を配信している。
 この番組は、季節に合った句の1句鑑賞「今週の1句」、季語の話をする「今日の季語ばなし」、そして俳句にまつわる雑談をする「俳句あれこれ」で構成されている。大体15分~20分程度の番組を、毎週土曜日に配信している。

 この番組は、普段俳句に触れない人にも聴いてもらえたらと思っている。アプローチすることは難しいかもしれないが、諦めず広めていきたい。

 楽しんだものを残しておく、ということは大事なことだ。
 先日、「いぶき」の代表である今井豊さんの引率で、こうこさんと斉藤よひらさんとわたしで明石の子午線を吟行した。
 帰りの電車で、よひらさんが「ネットプリントを作ってみたい」と言ったので、じゃあ作りましょう、ということになった。
 冬の赤い実で10句作り、吟行についてのエッセイを書いた。
 よひらさんに作成していただき、後日配布した。

 わたしは今後も、なにかひとつの「もの」や「こと」にとどまらない活動を模索したい。
 そしてこれからは、もっと俳句を身近に感じてもらえるようにアプローチしていきたい。
 そのためにいろんな人に出会い、新しいことにもどんどん挑戦していこうと思っている。

余寒ならちゃんと楽譜にしておいた

相田えぬ

俳句と暮らす ご自愛ラボチャンネル

(以上)

◆「活動報告」:相田えぬ(あいだ・えぬ)◆