関西現代俳句協会

会員の著作(2024年事務局受贈分)

  句集

『父に』

岡田耕治

銀河書籍 2024年8月16日発行



 第一句集『学校』の冒頭には「夏の闇」と題する初学時代の作品三十一句が収められている。この句から始まる。
  花の種めまいの母の枕許
 三十句目には父を対象とした作品がある。
  父の辞書開けば匂う寒月光
 この二句で読者は岡田耕治という存在を認めるであろう。両親が恩愛を子に余すことなく伝え、子は何の躊躇いもなくそれを享受する。僕はその姿を羨望する。

久保純夫・・・・・「受容と均衡―岡田耕治句集『父に』ついて」より

 

 師である鈴木六林男は、よく次のように私たちを指導した。年の初めに自分がどんな俳句を書きたいかというテーマを設定し、そのテーマに向かって俳句を書いていくように、と。当時、そんな指導を受けながら、毎年テーマを設定して書いていたかというと、そうではなかった。鈴木六林男師に向かって俳句を書いていればよかったからだ。今年、先生が亡くなって二〇年になるが、年を追うごとにどんな俳句を書きたいかというテーマ設問定とそれに向かって書くことの重要性をかみしめている。

岡田耕治・・・・・「後記」より

○発行

 銀河書籍
 〒590-0965 大阪府堺市堺区南旅篭町東4-1-1
 電話 072-350-3866

 (定価 1,000円+税)

◆句集『父に』: 岡田耕治(おかだ・こうじ)◆

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