関西現代俳句協会

会員の著作(2024年事務局受贈分)

  句集

『山櫻』

田宮尚樹

角川書店 2024年4月18日発行



句集『山櫻』は、田宮尚樹さんの変ることのない志の高さの窺える句集である。その根底には、田宮さんの敬愛してやまぬ飯田龍太、桂信子二師の俳句に対する清廉な姿勢が凛然と見えており、その思いが田宮さんの俳句の強い支えともなっている。

宇多喜代子・・・・・栞文より

 

 句集『山櫻』は私の第三句集です。故郷の生家の裏山に大きな山桜があり、その花が終わる頃、染井吉野が満開になり、近在でも桜の多かった村には楽しい行事が続きました。今でも時折思い出すことがあり、題はその山桜からとって旧字の櫻を当てました。

田宮尚樹・・・・・「あとがき」より


○帯「自選十二句」より

  春暁の円柱に泛く来迎図

  爆発の形に山の桜咲く

  行く夏の姫路城郭丘の上

  炎天の鴉の声もせずなりぬ

  生国魂(いくたま)は難波の葦の茅の輪かな

  一匹をいとしむ秋の水馬

  群を抜く速さ美し運動会

  小春日やどすんどすんと象の糞

  年暮れぬキャスターバッグ曳く音も

  息白し生きるとは考ふること

  初夢を飛ぶ金銀の千羽鶴

  何はさておき宝恵駕籠を見に出づる


○発行

 公益財団法人 角川文化振興財団
 〒359-0023 埼玉県所沢市東所沢和田3-31-3
    ところざわサクラタウン 角川武蔵野ミュージアム
 電話 050-1742-0634

 (定価 2,700円+税)

◆句集『山櫻』: 田宮尚樹(たみや・なおき)◆

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