会員の著作(2022年事務局受贈分) 句集 『多作多捨』 北村峰月 文學の森 2022年6月9日発行 マスクして福耳ふたつ繋ぎたる句集掲載句は、二〇〇五年より十一年間で作句した三万八千句から厳選。自然に馴染む素質は、幼き日の父との交わりが原点。六十歳から取組んだ俳句に「伝統俳句の型」を選択。この型に五感で捉えた素材を独自の現代風俳諧味で表現し、読者に沁みる句を成している。 中村光影子・・・・・「帯文」より 父は植物博士だったかと思うことがある。それは貧しきゆえに博学であったのか。 北村峰月・・・・・「あとがき――再び父のことなど」より ○帯「自選十句」より 走る野火時をり躊躇してをりぬ 春の夜や妻に繋がる糸電話 花疲れしてなほ花を振り返る 涅槃図に猫と私の漏れしこと 石蹴りの丸描いてゆく暖かし 折鶴のすべて鋭角原爆忌 咳をして問うても呉るる妻のゐて 冬帽子妻の帽子に被せ置く 枯葦のすぐ風離すいくぢなし メモといふ命令書もて年の市 悴めどいま記さねば忘るる句 ○発行所 文學の森 〒169-0075 (定価 2,100円+税) ◆句集『多作多捨』:北村峰月(きたむら・ほうげつ)◆ |
情報募集中!■<会員の著作>のコーナーへの情報掲載をご希望の方は、事務局までお気軽にご連絡ください。関西現代俳句協会の会員の方は、どなたでも当コーナーをご利用いただけます。 当サイトへのリンクについて■ご自由にリンクをお張りください。バナーが必要な場合は下記の画像をお使いください。88×31のGIF形式です。 ■申し出ていただければ、当サイトからもリンクさせていただきます。 |