関西現代俳句協会

会員の著作(2019年事務局受贈分)

  句集

『蝶の骨格』

榎本祐子

現代俳句協会 2019年11月30日発行



確かな詩の世界は、
誰かの借り物ではない自分の
納得できる表現を求めての結果である。

武田伸一・・・・・「序 榎本祐子の俳境」より


 自分自身と他者、自然、物事との関係性のなかに立ち現れる世界。一瞬一瞬はすぐに去って行きますが、心に響くその時を書き留めることで次への新しい世界が開けることもあります。その驚きが私にとっての書く喜びです。

榎本祐子・・・・・「あとがき」より


○帯「自選十二句」より

 日本の蟬の木お昼ご飯かな

 還暦や土筆ぎくしゃく煮殺して

 羽抜鶏の王なり正しき喉仏

 冬麗や完璧な横顔の過ぐ

 狐火を自由にさせて眠るなり

 春立つ日遊んで胸のぬた場かな

 四葩咲く生臭きもの日々食べて

 和御魂ががんぼのつるみおるなり

 いきものの素足や月に触れてゆく

 昼の蛾を見ている同性愛のふたり

 さわさわとこおろぎの寄る枕かな

 (リャン)先生つわぶきの黄ばかりを言う


○発行所

 現代俳句協会

 〒101-0021
 東京都千代田区外神田6-5-4 偕楽ビル7階

 (定価 2,500円)

◆句集『蝶の骨格』: 榎本祐子(えのもと・ゆうこ)◆

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