関西現代俳句協会

会員の著作(2018年事務局受贈分)

  句集

『HIDEAWAY』

久保純夫

儒艮の会 2018年9月9発行



 手許の辞書によれば、「ハイダ・ウェイ」とは隠れ場所とか目立たない場所、閑静な人目につかない場所、などと説明されている。私のHideawayとは。
 ある時期、条件が揃えば・・・・・・ホテルに龍って俳句を書いていた。ただ「龍って」というのは、ひとり密室で、飲まず食わずの状態で、俳句を考えている、というわけではない。
 私のお気に入りはバリ。そのホテルの敷地は広く、榔子の林もあった。芝生が敷き詰められ、デッキチェアも適当な間隔で、そこかしこに置かれていた。転寝と句作を繰り返していたその椅子がハイダ・ウェイのひとつであったともいえよぅ。またレストランやパーの片隅で眼前の光景に身を浸しながら、五官を自在にする方法もここで獲得した。もう少し言えば、その光景に直面している五感、手にしている歳時記のなかの言葉、これまでに蓄積してきたものやことの記憶。それらが三位一体となる情況こそが、私の中のハイダ・ウェイであった。

久保純夫・・・・・「あとがき」より


○発行所

 儒艮の会

 (定価 1,000円(税込))

◆句集『HIDEAWAY』: 久保純夫(くぼ・すみお)◆

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