関西現代俳句協会

会員の著作(2018年事務局受贈分)

  句集

『球殻』

花谷 清

ふらんす堂 2018年5月24日発行



立ち尽くすぼくら疾走する蟻ら

ことばに変換しておかなければ、
失われてしまうような一瞬の感覚の凝縮。
未知の読者へ送る、7年間の作品集。

帯文より

 

『球殻』は、『森は聖堂』に続く第二句集です。本句集には、二〇一一年以降に発表した作品の中から、三四七句を選び、ほぼ編年体に収めました。句集名「球殻」は、<かぎりなく脆き球殻雁渡る>に拠ります。

花谷 清・・・・・「あとがき」より


○帯「自選十二句」より

 春の雪想うは思い出せぬこと

 しゃぼん玉ひとつふたつは風を蹴り

 卯の花腐しマリー・ロンランサン青し

 長き夜の対になりたきカギ括弧

 梟のあたためている風の音

 ビー玉の影は黄みどり鳥雲に

 こもれびの戦ぐをまくなぎの躍る

 手鏡の裏へあつまる炉の焔

 百合一輪フェンスに茎と隔たれて

 花屑の轢かれ鴇色蘇る

 朝かと問われ夜と答える水中花

 一点に集まる時間弓始


○発行所

 ふらんす堂

 〒182-0002
 東京都調布市仙川町1-15-38-2F

 電話 03-3326-9061

 (定価 2,700円+税)

◆句集『球殻』: 花谷清(はなたに・きよし)◆

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