関西現代俳句協会

会員の著作(2016年事務局受贈分)

  句文集

『藤川游子句文集 句集游庵 文集敬天』

藤川游子

朔出版 2016年12月25日発行



  重信忌晩節汚すこと勿れ

高柳重信の生き方を学ぼうと 大海に飛び出して三十余年。
俳句と共に旅する中で 鎮魂の想いをうたい、忘れがたき先人の言葉を綴る。
粋な出逢いに恵まれ、 やわらかに生きる 一人の女性俳人の道がここにある。

 第三句集『游庵』 文集『敬天』二冊構成

栞文より

 

 もう十数年も前のことになるが、私は兵庫県の三田市に杣家そまや を持った。
 六十五歳に人生後半を豊かに過ごす準備を始めたのだが、いっこうに主婦業から解放されず、今も留守がちの庵となったままである。
 ひとまず心を遊ばせるところとして、「游庵」と名付けている。
 この度は気まぐれのままに『游庵』と決めた第三句集になる。

藤川游子・・・・・句集『游庵』「あとがき」より


○帯「自選十句」より

 三月の七日忌日の一詩人

 昼顔の中へ待昼間消えてゆく

 鷺草や軀の中にある古巣

 約束のマスクメロンは横切りに

 夏至に集う利休鼠と利休箸

 薄墨の色を慕いて夏至の沖

 時の影花野の片隅への途中

 秋霖のなか敗北の碑を建てる

 生き様はうまし海鼠の腸よ

 透明の蒼をめざして疾走す

句集『游庵』より

 

 この度、文集『敬天』として一冊に纏まり、ほっとしている。
 天上はさぞや賑わうところであろうと思う。先達に語りたくなれば天を仰ぎ見ている自分の姿から、天を敬う心で名付けた。

藤川游子・・・・・文集『敬天』「あとがき」より


○発行所

 株式会社 朔出版

 〒173-0021
 東京都板橋区弥生町49-12-501

 (定価 4,300円+税)

◆『藤川游子句文集 句集 游庵 文集 敬天』:
藤川游子(ふじかわ・ゆうこ)◆

▲会員の著作一覧へ