関西現代俳句協会

会員の著作(2015年事務局受贈分)

  句集

『虎落笛』

小野田魁

私家版 2015年6月発行




 十三年の余、毎週水曜日の毎日新聞紙上で、悟朗先生の肉声にも等しい選別の結果を、躰の底から震えるような思いで受け止めてきた悦びは今はもう望むことは出来ない。立ち止まるとそのまましゃがみ込んでしまう僕を、あの素敵な笑顔で、黙って寄り添ってくれる先生だった。永遠の命を求めるは儚い夢であることは分かっていたが、その夢の甘美さはまた永劫であることも事実だ。

 先生のお言葉は未だに鮮明に耳にある。
               「自分自身の観念で理解して作っているのか」

 そしてあと十三年経つと、僕も先生が天から享(う)けられた年に並ぶことになる。少なくともそれまでは懸命に生きていこう。
 この句集は、先生が永年選者を務めておられた、毎日新聞兵庫文芸俳句欄に於いて、二〇〇一年二月二十一日から、二〇一四年六月二十五日まで、先生が選者を辞退されるまでの十三年四か月間の入選作品の内から、三百六十六句を年代的序列に関係なく、四季を追って選別した追悼句集である。

小野田魁・・・・・「あとがき」より


○発行

 私家版

 (非売品)

◆句集『虎落笛』: 小野田魁(おのだ・かい)◆

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