関西現代俳句協会

会員の著作(2014年事務局受贈分)

  論集

『京鹿子叢書断章』

髙木 智

海青社 2014年11月11日発行


 京鹿子の資料はすべて髙木智により、系統的に整理されたと言って過言ではない。本当に惜しい人を亡くしたものである。
 髙木智は俳句の関守である。
 彼の側を通る時は、俳句・俳文など何か俳句に係わるものを、通行手形を示さないと通してもらえない。もし示さないと追いかけてきて示すことを要求されかねない。それほど俳句的な資料収集に熱心であった。髙木智がたいへん尊敬していた野風呂師に
  節分の句の関守りて老いにけり
の作品がある。髙木智はまさしくその心を受け継いだのである。

豊田都峰・・・・・「はじめに」より



 『京鹿子叢書断章』は、髙木智が「京鹿子」に昭和四十五年四月号から昭和四十八年五月号まで三十回に亘って掲載したものです。
 執筆中にこの稿に助言助力を惜しまれなかった鈴鹿野風呂先師の逝去という痛恨事がありましたが、三年間をかけて多大の資料の分析をしながら書き終えたものです。
 ご承知のように「京鹿子」は京大三高俳句会の機関誌として出発、野風呂、草城他四名の同人誌でしたが、誓子、秋桜子等後の俳壇をリードする俊英の巣立った場でもありました。
 昭和七年十一月に、野風呂の主宰誌となり、大正から昭和にかけて一大俳句サロンを形成し、当時句集などはよほどの大家でなければ出せなかったものを、率先して出版。次々世に送り出すことを意欲的に行っていました。その辺の事情を叢書を通して書いたものです。

髙木晶子・・・・・「あとがき」より


○発行所

 海青社

 〒520-0112
 滋賀県大津市日吉台2-16-4

 電話 077-577-2677

 (定価 3,000円+税)

◆文集『京鹿子叢書断章』(きょうかのこそうしょだんしょう)
: 髙木 智(たかぎ・さとし)◆

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