関西現代俳句協会

会員の著作(2014年事務局受贈分)

  写俳集

写俳新書1  伊丹三樹彦写俳集16
『ガンガの沐浴 (インド編)

伊丹三樹彦

青群俳句会 2014年4月10日発行



  『ガンガの沐浴』と題したのは、何度かの写俳旅行の一頂点を成す場としてである。その群像写真で私は写俳開眼が出来たような気がする。
 暁暗にホテルを発ち、物乞いの手の林を抜け、ガンジス河では舟を利用した。泳浴の場は、男と女の河岸は分れていた。私はその敬虔な姿に感動し、カメラのシャッターを切りまくった。フィルム百本はいつのまにか費やした。後日、その一枚は二科展に入選した。岩宮武二や植田正治らが推して呉れたらしい。河畔では、死をただ待つだけの人々の館を覗きもした。外へ出ると井桁を組んだ焚火に乗せられた屍の足尖から脂がポトリポトリ滴るのを見つめた。河面には死者の胸から離れた花輪が漂うて居る。ガンガでは人間の生き死にの姿を否応なく観察し、実感した。

伊丹三樹彦・・・・・「あとがき」より


○発行所

 青群俳句会

 〒113-0033
 東京都文京区本郷1-33-21 ニューアート本郷302

 (定価 2,000円+税)

◆写俳新書1  伊丹三樹彦写俳集16『ガンガの沐浴 (インド編)』
: 伊丹三樹彦(いたみ・みきひこ)◆

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