関西現代俳句協会

会員の著作(2014年事務局受贈分)

  句集

『花暦』

西原三春

現代俳句協会 2014年1月吉日発行



西原三春さんの俳句に会ってもう四十余年になる。
今も昔と同じように思うことは、日常の暮らしの身近に
こんなにも多くの心を和ませるものやことが
あったのだということだ。それらが、平明なことばで
三春さんの表情をもった句になってゆく。

宇多喜代子・・・・・「栞文」より


 句集『花暦』は『花吹雪』につづく私の第二句集です。『花吹雪』上梓のあと、まもなく夫の入院、そして夫、父母、兄弟、師、友人達との訣れが続きましたが、孫達の結婚、曽孫の誕生など、うれしい事も数々ございました。この度家族のすすめもあり、平成元年から二十四年までの俳句を五七二句選びました。

  大花火何といってもこの世佳し      桂信子

 世の中も目まぐるしく変っていきますが、折りにふれては、師のこの句を思い出し、日日歩んでまいりました。こうして俳句をつづけられましたのも、桂先生はじめ泉下の方々、「草苑」終刊後の「草樹」発刊に尽された先輩、友人のお陰です。またいつも私の健康を気づかつてくれている家族にも感謝いたしております。

西原三春・・・・・「あとがき」より


○帯「自選十句」より

 師の在せばやはりコーヒー春の雪

 はぐれ鴨流行色は黒なるよ

 白南風や螺子ほどけゆくオルゴール

 無口なる人に嚙まるる海鼠かな

 母の骨吾を三月に産みくれし

 小雨にて終らせたまふ今世紀

 据ゑ石は中まで石か星月夜

 蚊帳吊草長い昭和のありまして

 鳥渡る一直線のこころもて

 灯る街柚子湯に入る日なりけり


○発行所

 現代俳句協会

 〒101-0021
 東京都千代田区外神田6-5-4 偕楽ビル7階

 電話 03-3839-8190

 (定価 1,500円(税込))

◆句集『花暦』: 西原三春(にしはら・みはる)◆

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