関西現代俳句協会

会員の著作(2013年事務局受贈分)

  句集

『春の雪』

音羽和俊

草樹俳句会 2013年9月1日発行



  包まれてからが幸せさくら餅

 著者はこの句集の上梓をここから一歩踏み出すきっかけにしたいと言っていたが、このような童心の持ち主なら今後も純な眼や心を生かして、更に独自の世界に踏み込んだ佳句を残してゆかれるものと確信している。

吉田成子・・・・・「跋」より


○帯「自選十句」より

 滾り立つもの皆眠らせよ春の雪

 色鉛筆で画く初蝶の軌跡かな

 ふらここや背中を母に押されし日

 蝶の昼いま来し道の美しき

 雉の眸に三百六十度の平和

 葉桜となって漢の空となる

 分数の白菜ひとつ妻と買い

 何着ても似合わぬ漢玉子酒

 臍の位置低く櫟の薪を割る

 山もまた齢を重ね初がすみ


○発行所

 草樹俳句会

 (非売品)

◆句集『春の雪』: 音羽和俊(おとわ・かずとし)◆

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