関西現代俳句協会

会員の著作(2013年事務局受贈分)

  句集

『野上』

政野すず子

私家本 2013年8月19日発行



 私の生まれ故郷は徳島市多家良町野上です。徳島県の中央から徳鳥市の南東部で紀伊水道に注ぐ、勝浦川の流域です。小松島港からは西へ四キロほど、戸数四十戸の村落が「野上」です。
 西に開ける田園をへだてて、剣山系の中津峰山が聳えています。その中腹には如意輪観音様をご本尊とする如意輪寺があり、「なかつみねの観音さん」と親しまれています。そんな山紫水明の地で、夏いっぱいは川で遊び、あとは男の子に混じって野山を駆け回る、幸せな少女時代を過ごしました。「野上」は、八十六歳のいまも私の心の故郷であり、俳句の原点です。

 (中略)

 俳句は平成九年の写俳集『風韻抄』以後現在までの句から三百三十八句を選びました。文章は「青玄」在籍中に掲載させて頂いたものの中から抽出しました。そして、同期の桜として常にご厚誼を頂いている高知のたむらちせいさん、すでに故人となってしまわれた畏敬の友人森早恵子さん、写俳時代からの友人図子まり絵さんの文章を別冊とさせて頂き、表紙は「野上」発行にあたり、伊丹三樹彦先生から頂戴した励ましの五句をそのまま掲載させて頂きました。

政野すず子・・・・・「あとがき」より

○発行者

 政野道信

(私家本)

◆句集『野上』: 政野すず子(まさの・すずこ)◆

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