関西現代俳句協会

会員の著作(2013年事務局受贈分)

  句集

『歌時計』

花谷和子

角川書店 2013年6月20日発行



  エーデルワイス鳴る歌時計ひとり佳し      和子

昭和四十八年七月に創刊の俳誌「藍」は、本年、四十周年を迎えます。その記念の句集として出版いたしました。

私の仕事机のある部屋には、大きな歌時計がかかっており、時間が来ると、「エーデルワイス」、「亜麻色の髪の乙女」、「ユーモレスク」…などの曲が時を知らせてくれます。恵まれた今、ここに生かされている感謝をこめて、句集名を『歌時計』といたしました。

花谷和子・・・・・「帯文」より


○帯より十二句

 去年今年影にかたちの添うが佳し

 すでに木の名持たぬ切株春の森

 白梅の何を滅してこの白さ

 クローバーの冠行方知れずかな

 永劫の滝音なりき父祖の地に

 薔薇そこに身を傾けている闘魚

 わが土地は地球のものよ蟻走り

 月光の海へガラスの扉押す

 何かはじまる野の一点の鶏頭炎え

 誰もいぬうしろの正面草の花

 僧形の祖父の白髯梅月夜

 わが歌のはじめモンパリ冬薔薇


○発行所

 角川書店
 電話 03-5215-7820(編集)

○発売元

 角川グループホールディングス
 〒102-8177
 東京都千代田区富士見2-13-3
 電話 03-3238-8521(営業)

 (定価 2,667円+税)

◆句集『歌時計』: 花谷和子(はなたに・かずこ)◆

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