関西現代俳句協会

会員の著作(2012年事務局受贈分)

  句集

「猫贔屓」

鈴鹿百合子

東京四季出版 2012年11月1日刊

 

鈴鹿野風呂四男鈴鹿仁に嫁してよりの作家活動ということになる。聞くところによると、婚約中も尋ねると野風呂先師に俳句を作ることを勧められ、俳句作品を書き留めさせられたとの事、結婚をすれば、当然のこと俳句一家の一員、まして義兄にあたる丸山海道前師直々の指導の機会もあって、たちまちに素質が花ひらいたということである。平成十一年春、海道前師が亡くなられてからは、私が見させてもらったことになる。
作家は成果をまとめてこそのものである。「猫贔屓」はそれを証明している。                  

豊田 都峰・・・・・「序」より

○「序」より十二句

 十二月来し方見るに眼鏡選る

 月煌々行き方変へるつもりなし

 事ごとに躓く日なり桜東風

 ははごひのねんねんねむりねむの花

 塵取りで戦ひにけり梅雨出水

 ときめきし夏帽の日の風のいろ

 短夜を飽くなき恋の筋追ひて

 箱入りの猫に恋の季ままならず

 二人して風待月の森抜ける

 蔭が影追ひて暮秋の橋わたる

 虚も実も日月重ね水温む

 蹌踉と案山子ひと夜の遊びかな

○発行所

 東京四季出版

 〒189-0013
 東京都東村山市栄町2-22-28

 電話 042-399-2180

 (定価2700円、税別)

◆句集「猫贔屓」(ねこびいき): 鈴鹿百合子(すずか ゆりこ)◆