関西現代俳句協会

会員の著作(2012年事務局受贈分)

  句集

「直感」

石川日出子

角川書店 2012年11月22日刊

 

『直感』は『神雛』『珊瑚礁』『異郷』『道』に続く第五句集に当たる。
題名にした『直感』は、理窟や理性ではない、私にとって困難な会話の想像力を増したり、句作のひらめきを与えてくれる感性である。正直・率直・素直・或いは剛直の直でもある。まだまだ学びたいことが多く、何よりも自分に正直に生きてゆくつもりである。

石川日出子・・・・・「あとがき」より

○帯「自選十二句」より

 解体の終りは地面叩きけり

 航跡や昨日は既に遠離り

 出棺の間際の風を共有す

 さつき満開この手離さば男死ぬ

 点滴の夫に一礼して帰る

 天国へゆく髭剃って貰いけり

 補聴器を外しひとりになりいたり

 満月に睫毛盗られてしまいけり

 霜降やわが耳鳴りを寝息とし

 ジャンパーの着馴れしかたち六林男の忌

 ここに釘一本欲しと亡夫に言う

 遠くまで錠剤こぼれみどりの日

○発行所

 角川書店

 〒102-8078
 東京都千代田区富士見2-13-3

 電話 03-5215-7820

 (定価2667円、税別)

◆句集「直感」(ちょっかん): 石川日出子(いしかわ ひでこ)◆