関西現代俳句協会

会員の著作(2012年事務局受贈分)

  句集

「定景」

森田 智子

邑書林 2012年5月30日刊

 

  走馬灯真上から見る無神論

『定景』は『全景』『中景』『掌景』に次ぐ第四句集です。句集名を『定景』としたのは、振り返って、定型詩、定職、定住と、定というのが私の性分に合っていると思ったからです。
何が起ころうと、どのような時代であろうと、自他の命の消長を、居合わせた時代の今を、見て、感じて、察して、俳句を書き続けたいと思います。

森田 智子・・・・・「あとがき」より

○帯「自選十句」より

 億万の民に母あり薺粥

 同時多発テロのみならず秋深む

 持ち上げる水母の五臓六腑かな

 色変えぬ松や朝出て夜帰る

 揺籠を覗いて歩くクリスマス

 糸瓜忌の朝のきれいな目玉焼

 小田原の城から攻める春の旅

 春愁の感情線に塩を振る

 実行を押せば金魚が百届く

 八月のしばらく飛んでない箒

○発行所

 邑書林

 〒385-0007
 長野県佐久市新子田915-1

 電話0267-66-1681

 (定価2381円、税別)

◆句集「定景」(ていけい): 森田 智子(もりた ともこ)◆