関西現代俳句協会

会員の著作(2012年事務局受贈分)

  句集

「風車」

和田 悟朗

角川書店 2012年3月25日刊

 

本句集『風車(かざぐるま)』は、私の第十句集に当たり、平成二十二年までの作品を収める。句集名「風車」は、〈歓声は沖より来たり風車〉に依る。子供らが紙で作った小さな風車は、風のエネルギーを回転運動に変換するものである。しかし今や、世界中で巨大な「風車(ふうしゃ)」を林立させ、太陽エネルギーから風力発電を行う時代となっている。この句集では、そのことも暗に思慮している。

和田 悟朗・・・・・「帯文」より

○帯「自選十二句」より

 観覧車もっとも高きとき晩夏

 台風や地球の水を繰り返し

 春いちばん大道芸人失敗す

 千羽鶴千羽の無言天の川

 鯉幟天上の水ゆたかなり

 田を植えず向日葵蒔かず核持たず

 夕顔や月に降りたつ心地して

 人間を休む一日朴落葉

 充電の静けさにあり春の石

 風来の人を親しみ火の祭

 歓声は沖より来たり風車

 太陽を拒むものなし寒の海

○発行所

 角川書店

 電話 03-5215-7820

 発売元 角川グループパブリッシング

 〒102-8177
 東京都千代田区富士見2-13-3

 電話 03-3238-8521

 (定価2667円、税別)

◆句集「風車」(かざぐるま): 和田 悟朗(わだ ごろう)◆