関西現代俳句協会

会員の著作(2011年事務局受贈分)

      句集

「眞隆俳句 自選二百」

佐藤 眞隆

私家本 2011年10月1日刊

 

検査入院中の一週間、いくぶんの気晴らしにと、好きな俳句を二百句ほど選び、感想を添える作業を思いつきました。なにぶん、手元にあるのは、紙と鉛筆のみ、しかも、各種検査の合間を縫っての作業でありました。結果、これを小冊子にまとめ、これまでにご厚誼を賜りました各位(俳句関係者以外も含め)に謹呈することを思いつきました。眞隆俳句(個性)の一端を垣間見る意味で、ご笑覧を賜りますればこれに過ぎたる幸せはございません。
   (被災地へ心からの哀悼の意をささげつつ)
    大空は何ごともなし鳥帰る 眞隆

佐藤 眞隆・・・・・「ごあいさつ」より

○「地の巻」「水の巻」「火・風の巻」「空(くう)の巻」より各三句

 耕せば虫がいつぴき死にました

 もういちど兎抱きしめ卒園す

 少年に酢の匂ひして竹の秋

 炎帝に惚れた腫れたの女癖

 裸木のどこもうごかぬ生くささ

 禅門は鐘と撞木で春を出す

 仏壇の中が暑いぞなんとかせい

 天の川さてさて登る梯子ない

 中空を踏み外したり恋の猫

 嘘二つほふりあげたるとんぼ釣

 竜天に登るがごとき入唐僧

 山滴る万物すでに仏たり

○発行所

 私家本

 〒602-0852
 京都市上京区寺町広小路上る北之辺町395 佐藤眞隆

 電話 075-211-9068

◆句集「眞隆俳句 自選二百」(しんりゅうはいく じせんにひゃく):

佐藤 眞隆(さとう しんりゅう)◆