関西現代俳句協会

会員の著作(2009事務局受贈分)

句集 「藍衣」 

若森 京子

文學の森 2009年7月27日 刊

 若森京子の俳句は、独特の〈感覚の艶〉と言いたい、生々しい感覚世界が支えている。この人ならでは、女性ならではといいかえてもよい。別のいいかたをすれば、感覚の生を徹底して労わり、思考の筋目の一本での付けることを避けて、その逆に、感覚の奥に迫っていく、その直かの掘り込みのエネルギーが確保する生々しい感覚世界といってもよかろう。(金子兜太)

・・・・・「帯」より(事務局)

○帯の自選十句より(事務局)

 ふいの眼にふいの加齢や晩白柚

 一筆は一艘のゆれ旅の終り

 和国晴天なり弓なりに冬籠る

 脱稿や花野に柔らかい落馬

 白ふくろう胎蔵まんだら灯されて

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