関西現代俳句協会

会員の著作(2007事務局受贈分)

中野京子 句集   「翁草」

文學の森刊 2007年7月9日刊

     後記より

  私にはこれ一つというふるさとがありません。父の度重なる転勤で出生地の記憶もないほどです。そのかわり自分勝手に思いこんでいる沢山のふるさとがあります。それらのふるさとを思う時、必ず土地土地の草花が浮んで参ります。私にとってそれらの草花の象徴が「翁草」であり、第一句集の題名となりました。

○帯の自選10句より(事務局)

 ガウディの作りかけなる春の空

 アカシアの花の天婦羅母の椅子

 柳絮とぶ宴なりける虚空かな

 鈴虫の夜とイカロスの昼なりし

 おほどかにすくはれてをり仏手柑

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