関西現代俳句協会

会員の著作(2006事務局受贈分)

山上康子 句集   「葉脈 」

文學の森 2006年9月30日刊

 「時間」という概念が、『葉脈』という句集の全作品をいちまいの葉であるとして、葉の中央を貫く主脈を形成している。そして、途中観・輪廻観・生死観・虚無観などが、主脈から分岐した枝脈となるだろう。人生観だ。和田悟朗(帯文より)

○帯の自選10句などから(事務局)

 人形が瞬きをして秋深まる

 火を欲す総身枯れシメタセコイア

 たおやかにタンカー縛す花曇

 風を来る精悍にして蛇蝎かな

 唐突に天意をよぎる冬の蝶

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