関西現代俳句協会

伊丹三樹彦『写俳集XIII・日本夏色』

ビレッジプレス/2005年1月刊

著者のことば

前著『日本春景』を出したとき、ならば撮り下ろしの夏も秋も冬もと意気込んだ。 『おおオージーワールド』を加えると、1年間に写俳集を三冊も出したことになる。俳歴70年、写俳歴35年。ここに撮り下ろしたのは東京、群馬、静岡、福井、京都、大阪、神戸と正に7月8月の日本の鮮やかな夏色。これこそ日本の夏だ、その色だ、その光だと自らに言い聞かせながら。

前著『日本春景』に続いての『写俳集]V・日本夏色』である。

推薦の辞(伊丹公子)

伊丹三樹彦は日本の四季の現況を撮ると決めたようだ。さきの『日本春景』が出た
時、すでに『日本夏色』の撮影行は佳境に入っていた。炎暑のなか「心頭減却すれば」の古めかしい言葉の形を、減却できぬ私は目前にして一夏を過す。そしていま、表出された日本の全き夏を、一書の中に明確に見る。日本の山河を樹木を街を村を。かててくわえて生きる人々の感情の美しさを。

平成17年2月27日の毎日新聞、俳句欄・新刊案内には

写俳という新しい表現形式を提唱し実践してきた著者の13冊目の作品集。さまざまな夏の光景を切り取った写真と新旧の日本人の生活の断面を詠んだ俳句が交響する

と紹介されていた。

写俳集の中から

鉾町を右折左折の 下駄鳴らす
うたた寝の男 鬼灯市の外れ
未来問うかの 少年の影法師
川風が遊び心の 浴衣の裾
裏川の昼は 螢の眠りの宿
近江八景知るか ミシガン船の水脈

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伊丹三樹彦宛 661-0012 尼崎市南塚口町2-7-8
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