関西現代俳句協会

■2022年8月 青年部 招待作品

/塩崎帆高








   家

 塩崎 帆高




夏瘦や馬の蹄が草を圧し


そぼ降れば草匂ひたつ網戸かな


その下の杉葉も濡れて著莪の花


かく晴れて葵の花の疎らなり


ひともとの百合に大廈の門を閉づ


夕端居向かひに沙羅の木の見えて


みんなして小暑の家の暗きにゐ


夕立の片へに見ゆる扇かな


髪洗ふ夜は白樺のあらはなり


空港にピアノがひとつ夏休


◇「家」:塩崎帆高(しおざき・ほたか)
2002年生まれ 東京都在住
所属団体:「群青」「秋草」

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