嫌われる前に／岡田朋之

　嫌われる前に

　岡田 朋之

春浅し天使の死骸の腐敗臭

春雨の端から端が見えるとこ

春影は斜めに誰ともまじらずに

私ではない汗のにおいを抱いている

君からは見えない噛み跡夏の宵

病葉や嫌われる前に嫌っとく

追わないとどんどん離れていく西日

風船が嘘みたいに正しく割れて

いつか死ぬ人達の群れ夏の空

君だったものをとかしてソーダ水