関西現代俳句協会

■2022年4月 青年部 招待作品

何度もみる夢/花島照子








 何度もみる夢

 花島 照子




眠る雉日に日に庭に光濃く


それはとても低い促音クロッカス


風のないブランコは鉄そのうつろ


若草をほどけた靴紐のやわさ


海晴れて波のはるかを蜃気楼


安吾忌の畳きれいな目が走り


星を見ていずひとりでに立つ仔馬


鳥曇家をならべて固い丘


何度もみる夢と離れて挿木つく


息とめて残る氷へ目見開く


◇「何度もみる夢」:花島照子(はなじま・てるこ)
1990年生まれ 富山県在住
所属団体:無所属

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