関西現代俳句協会

■2021年11月 青年部 招待作品

頭皮/内橋可奈子 








 頭皮

 内橋可奈子




鶏頭にふせたら虫がいるのだろう


ふるえては金木犀のせいにして


いくたびも頭皮をさわる小鳥来る


秋茄子の句を傾いたままにする


海の字のとめはねきれい星月夜


去りたくてああ蟋蟀が重たいな


動悸してすすきが揺れてないみたい


二番目をしずかにもらう実むらさき


もう止まるメリーゴーラウンド照葉


ふたりして酢茎を買っているところ


◇「頭皮」:内橋可奈子(うちはし・かなこ)
1983年生まれ 兵庫県在住
所属団体:「窓と窓」常連

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