関西現代俳句協会

■2021年6月 青年部 招待作品

啓蟄の黄/恩田富太








 啓蟄の黄

 恩田 富太




梅東風や音の毀るるフエラムネ


啓蟄の黄の封筒に絵本代


一日をワルツの中に鬱金香


鰐よ口ひらいてみせよ鳥帰る


よく走る体嬉しと風車


花過ぎの生協の荷の寄せてある


てふてふに柔軟剤の香りかな


日曜の予定を蠅の舐めてをり


子の脛の堅き憲法記念の日


赤いトタン青いトタン夏の雨


◇「啓蟄の黄」:恩田富太(おんだ・とみた)
1975年生まれ 新潟県在住
所属団体:「銀化」、句会「信天翁」運営

▲関西現代俳句協会青年部過去掲載ページへ

▲関西現代俳句協会青年部トップページへ