関西現代俳句協会

■2021年5月 青年部 招待作品

さわがしき/姫子松一樹








 さわがしき

 姫子松 一樹




さくらさくら座る分のみ切り倒す


ソーダ水爆ぜ三成の死に場所へ


水晶の目の人形や夏の果


竹伐るや周りの竹のさわがしき


首に杯掛けてソムリエ豊の秋


鶏頭や教師のための喫煙所


魚河岸の木箱に張つてゐる氷


鮫締めて太き神経飛び出しぬ


恐竜死んだ人は生まれた波の花


吾は愚鈍なる長男や花八手


◇「さわがしき」:姫子松一樹(ひめこまつ・かずき)
1999年生まれ 京都府在住
所属団体:「青垣」 関西俳句会「ふらここ」「樹色」

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