関西現代俳句協会

■2020年12月 青年部 招待作品

銃声/帯谷麗加








 銃声

 帯谷 麗加




身に入むや湖底へつづく鯉の喉


甲板に凩しろく転げまはり


立冬や後光の折れし如来像


おでん選るたびに曇れる眼鏡かな


ジッパーが肌に咬みつく近松忌


噓重く白息軽く歩みけり


子ら太き髭を生やして聖夜劇


冬うらら雲梯の身を振り子にし


銃声のあれは脅しと猟夫の子


嫌はれる勇気もなくてセロリ嚙む


◇「銃声」:帯谷麗加(おびたに・れいか)
1979年生まれ 宮崎県在住
所属団体:「南風」

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