関西現代俳句協会

■2020年11月 青年部 招待作品

続・表皮/西川火尖








 続・表皮

 西川 火尖




重陽や癖字そのまま再会す


人間の指から暗き花野かな


見てくれるまで鶏頭の横にゐる


月光のための歯車蔵しをり


水澄むや二人は同じものを捨て


バスタブを運ぶ小鳥の来るところ


開梱の途中で秋の蚊を打ちぬ


秋風やスパゲッティの湯を沸かす


星月夜あらむと演じ続けたり


秋蝶の翅をずらしてゆく暮し


◇「続・表皮」:西川火尖(にしかわ・かせん)
1984年生まれ 神奈川県在住
所属団体:「炎環」「Qai」

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