関西現代俳句協会

■2020年1月 青年部 招待作品

帆のように/丸田洋渡








 帆のように

 丸田 洋渡




初雪は原稿用紙に似ていて書く


日のなかを鷺が立つにはこの川幅


大鷹や空と天秤かけるなら


声帯と白鳥と遡ること


霜夜痺れて水の昔が鳴っている


マフラーに雪なじむまでの遮断機


蝋燭の蝋まで照って雪の夜


透きとおりはじめて終える雪遊


陽だまりのきもちわるさに浮寝鳥


帆のように静かに暮らし嫌いな詩


◇「帆のように」:丸田洋渡(まるた・よっと)
1998年生まれ 山梨在住
所属団体:山梨学生短歌会

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