関西現代俳句協会

■2019年10月 青年部 招待作品

脱ぎ捨てて/風見奨真








 脱ぎ捨てて

 風見 奨真




手水舎の龍のうねりや実南天


鳥渡る木と木に挟まるる空を


賽銭にひとの余熱や桐一葉


鳥が鳥追つて枯野のするどさよ


マフラーの端から風に変はりゆく


硝子戸を指紋のどかに重なりぬ


菜の花やミニバンほどほどに四角


その川を阻みて夏の野の献花


海の日の海脱ぎ捨ててゆくかもめ


風鈴やすべてが過去となる地球


◇「脱ぎ捨てて」:風見奨真(かざみ・しょうま)
1998年生まれ 埼玉県在住
所属団体:「俳人戦士タサクタシャー」代表

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