関西現代俳句協会

■2019年9月 青年部 招待作品

夏日幽か/大川原弘樹








 夏日幽か

 大川原弘樹




おぼろの夜用途不明の落し物


狐火に下りのカーブ続きけり


夕空に残れる青さ雷の後


蟻のゐる日向自販機撤去され


夏日幽かバスに遠心力かかり


昼の月卒塔婆の先が塀の上


傘立てに金属バット鶏頭花


画架の絵の置きっ放しや散紅葉


くさめして宝石店を過ぎにけり


水仙やダムの帰りの坂が急


◇「夏日幽か」:大川原弘樹(おおかわら・ひろき)
1972年生まれ 埼玉県在住
所属団体:「犀」「草樹」

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