関西現代俳句協会

■2019年5月 青年部 招待作品

とすれば/脇坂拓海








 とすれば

 脇坂 拓海




どの菓子の袋の端だ夏の立つ


アロハシャツ犬はこちらを見て歩く


一列に伸ばす海の詩バナナ剥く


薄暑光なに配つてるかも知らん


おいしさうな名詞飛びさうにない李


化粧水べつちよりつけて虹の去る


ひまはりを動詞とすればひまはれぬ


名前だけで人をおもつて風は夏


トマト生るさうずつと雨降つてゐて


鳳梨のまはつてタイムマシンなり


◇「とすれば」:脇坂拓海(わきさか・たくみ)
1996年生まれ 愛媛県在住
所属団体:「WHAT」編集部

▲関西現代俳句協会青年部過去掲載ページへ

▲関西現代俳句協会青年部トップページへ