関西現代俳句協会

■2019年1月 青年部 招待作品

頼れる星に/音無早矢








 頼れる星に

 音無 早矢




長き夜に産まれた時の話など


星涼し白衣の白きままであり


ホテルから見えぬ星月夜のゆらぎ


銀漢のあふるるごとく窓に罅


曇つてゐて星の見えない呼吸音


銀漢の光漏れをる北枕


洞窟の壁画しづかに星流る


息継ぎをしながら星月夜にもぐる


型崩れしやすき服や冬の星


大袈裟に泣き真似をして冬銀河


◇「頼れる星に」:音無早矢(おとなし・はや)
1998年生まれ 北海道在住
所属団体:艀、蒼海、itak

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