関西現代俳句協会

■2018年6月 青年部 招待作品

クロノスタシス/星野ことと








 クロノスタシス

 星野ことと




春着より紅匂い立つようにある

 金子兜太死去の報聞く
おおかみの背より蛍の離れたり


嚔する春の怒涛の真ん中で


朝よりも強く降る降る花の雨


眠るひと先斗町には雪柳


籐椅子に犬を3匹積んで夏


半夏生湖澄んで人森になる


雪渓にことばとられていて登る


木犀や夜の匂いに混じりたり


むこうみずになれずに冬の花火かな


◇「クロノスタシス」:星野ことと (ほしの・ことと)
1996年生まれ 京都市在住
所属団体:なし

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