関西現代俳句協会

■2016年10月 青年部 招待作品

機械逸脱/髙田獄舎








 機械逸脱

 髙田 獄舎




白葡萄を授かり善意拒絶のビルの一室


言語を疑いわれらの真横に濡れる荷馬


罵りの応酬停滞画廊に柘榴があることに関し


ナイフを研ぎ単なる祖神侮辱と台風圏


故郷点在の拡声器を蔑む暗緑の鳥


花野=電子劇場を結末とし 機械逸脱人間の降下


コカ・コーラ不足の国家を扇動する夜露


大学沈黙し一貫性の番犬どもが満足する予兆


「肥満」を否定し共同体象徴の案山子の模倣かね


蜉蝣の機構を神とせよ水夫


◇「機械逸脱」:髙田獄舎(たかだ・ごくしゃ
1992年生まれ 北海道在住
所属団体:「海程」

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