関西現代俳句協会

■2016年9月 青年部 招待作品

月 並/石山昼妥








 月 並

 石山 昼妥




義理堅し四角四面の西瓜かな


主役とはならぬ新胡麻祝ひ膳


身を焦がす為の脂を身に秋刀魚


蔦かづら昇る事しか許されず


長き夜や哈爾濱生まれのママの店


此処もまた舞台のひとつ囮籠


月並な話の似合ふ月見かな


牛革に鰐皮の押し秋思あり


鶏頭や「キャバレー愛」の椅子古ぶ


柚子置けば書き置きとなる紙つ切れ


◇「月並」:石山昼妥(いしやま・ひるだ)
1965年生まれ 東京都在住
所属団体:「銀化」「豆の木」

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