関西現代俳句協会

■2016年4月 青年部俳句作品

さえずり/赤羽根めぐみ








さえずり

 赤羽根めぐみ

東京



歯ブラシに雲のきれはし万愚節


スカートの波をミモザのこどもたち


しゃぼん玉待ってくれない人に吹く


深海の貝寄り合いて春眠し


花冷えの殊にインクの残る指


遅くまで生きて春星家に来る


真夜中のブランコどちらにも漕がず


首かしげつつ春愁を啄みぬ


朝が来て誰のものでもない仔猫


仰向けのままさえずりのふりつもる


◆「さえずり」:赤羽根めぐみ(あかばね・めぐみ)◆

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