関西現代俳句協会

■2015年12月 青年部俳句作品

/加藤絵里子








 加藤絵里子

東京



秋天の沸点知らぬ深海魚


百代を漏斗に流し十三夜


尖塔の青い錆から冬に入る


朧月肋骨あたりがムズ痒い


象形文字坂の下から剪定す


山笑う仮綴じされた住民票


接木して大動脈を保つ街


孑孑や色分けされた世界地図


肩幅に足らず晩夏が裏返る


白南風や整合点は海の中


◆「海」:加藤絵里子(かとう・えりこ)◆

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