関西現代俳句協会

■2015年11月 青年部俳句作品

時 計/杉山一朗








時 計

 杉山 一朗

宮城



自転車が桜にそまるかえり道


ブランコの一回転でロシア行き


梅雨明けの石をけずりし川の音


復興の興の字習う夏の午後


ほうたるの美しき夜のがれきかな


落葉焚く煙は水の中にある


秋の虹見れば時計が動くかも


記念写真冬の夕日に照らされて


枯つたの一部屋だけは生きている


九ヵ月十四日目のクリスマス


◆「時計」:杉山一朗(すぎやま・いちろう)◆

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