関西現代俳句協会

■2015年8月 青年部俳句作品

夏 化/生駒大祐








夏 化

 生駒大祐

神奈川



初蟬の鳴く祝日の油物


働くは蟬のみ昼の大樹蔭


夏化してはや夕暮の冷し瓜


噴水や日光つかひ古されし


微かなる音に目開けば作り滝


聴くべきを持たず歩くや夏衣


八月を見る傾けて日に当てて


蛇泳ぐ繊細にまた大胆に


もう見えぬ虹や些か紐長し


泣きてなほ晩夏を十日余しあり


◆「夏化」:生駒大祐(いこま・だいすけ)◆

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