関西現代俳句協会

■2014年5月 青年部俳句作品

指 紋/小鳥遊栄樹








指 紋

 小鳥遊栄樹

関西ふらここ



庭狭し石鹸玉割るための指


廃線ののらりと伸ぶや花曇


草青む昔兎は鳥であり


車窓冷たし赤き頬を春と言ふ


終電のベンチに空缶春惜しむ


パステルの多き絵本や夏近し


夏隣線路の向こうにも線路


新幹線沿いに工場ばかり初夏


藍出でて夜に晒されたる金魚


夏に触れ夏指紋の形せり


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