関西現代俳句協会

■2014年2月 青年部俳句作品

機明かり/ 仲田陽子








機明かり

仲田陽子



美しく杼を並べ替へ去年今年


蛇穴を出て薄暗き機明かり


天蚕の糸の乾きや新樹光


海市立つ下絵どほりにすくひ織り


糸枠の積まれてゐたる五月闇


織姫はときどき乳房含ませに


爽やかに両手両足機となり


機屋には天窓一つ秋日和


染め見本帳の百色時雨くる


凍鶴が糸繰り部屋の片隅に


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