関西現代俳句協会

■2013年10月 青年部俳句作品

漆黒/小林かんな








漆 黒

小林かんな



仏桑華色の箸置く潮騒に


いっせいに魚ふりむく晩夏かな


しんがりは浮輪の砂を払いつつ


粗塗りのペンキと氷旗残る


サーファーをじっくり選ぶ赤とんぼ


鮃にも届いていたり秋の声


幾千代も芭蕉すれるは荒々し


毒蛇は穴に入らず風の杜


漆黒を支えきれない星は飛ぶ


いつの日か金網越える秋桜

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