関西現代俳句協会

◆柿本多映氏・第5回桂信子賞受賞

  

2014年1月、公益財団法人 柿衞文庫が優れた女性俳人に贈る「桂信子賞」の第5回受賞者に、 関西現代俳句協会会員の柿本多映さんが選ばれました。

  

柿本多映(かきもとたえ)

 1928年、滋賀県生まれ。歴史的文化的伝統を有する生家(園城寺(おんじょうじ)・三井寺とも)の影響もあって若い頃は短歌に親しんだが、知命を迎えるあたりから俳句に惹かれ、大津西武のカルチャーセンターで句作を始めた。まもなく赤尾兜子の「渦」に入会して頭角をあらわし、1980年には渦賞を受賞。兜子死去後は「渦」を離れ「白燕」・「草苑」に参加、橋關ホ・桂信子の指導を受けた。 1984年の第1句集『夢谷』以後、本年の『仮生』まで7句集を刊行。第35回現代俳句協会賞受賞。著作は評論集『時の襞』(2000)、エッセイ『季の時空へ』(2011)、『ステップ・アップー柿本多映の俳句入門』(2011)など多彩。 俳句の触れた契機はカルチャーセンターの講座であったが、赤尾兜子のもとで生来の感性がより鋭く研ぎ澄まされ、橋關ホ・桂信子との出会いでさらに大きな飛躍を遂げる。とくにまっすぐに真摯に俳句に向き合う凛とした姿勢は桂信子に相通じるもので、この賞の受賞にふさわしい女性俳人である。現在は無所属で活躍。