関西現代俳句協会

関西現代俳句協会第2回定例句会開催

 

 平成27年10月31日(土)午後1時より大阪堂島の中央電気倶楽部に於いて、第2回の定例句会を開催した。
 参加者は事務局5名を含め総勢47名であった。
 当季雑詠句を各自3句提出。
 第1回は会員互選方式であったが、今回は選者に加わって頂き、会員は3句選・選者は10句選とした。
 因みに選者は関西現代俳句協会の選者で西谷剛周氏・日原輝子氏・的場秀恭氏・吉田成子氏の4名であった。
 前回より出席者が多かった事と、選者が加わったことで充実した句会となった。
 なお、第3回は平成28年7月30日(土)にヴィアーレ大阪で開催する。

 

※参加者全員の作品を掲載いたします。(50音別)

    重陽やをのこばかりを産みにける       雨村 敏子

    木守柿きっと今晩星になる         いわきり秋月

    紙函を平らにつぶす神の留守         上田千恵子

    神鹿の角伐られても神の鹿          上藤おさむ

    短日の人待つ影の生きてをり         内田  茂

    味噌汁の煮つまり草の絮しきり        榎本 祐子

    堂島の橋げた乾く秋の空           大西 陽子

    爽やかに飢ゑたる鳩に囲まるる        岡野多江子

    馬肥ゆる秋アフリカに飢餓の子ら       勝  俊一

    新酒空け全部の酒が騒ぎ出す         葛城 裸時

    両耳にばうばうと風刈田道          金山 桜子

    秋風や実印を押す三姉妹           河口久美子

    緊急発進冬の水深からむ           川口 真理

    男の手借りて襖を入れにけり         川ア 奈美

    鷹渡る風乗り替へて伊良湖岬         北村 峰月

    無患子の実をふところに女ひとり       木野 俊子

    徘徊の老爺の行方十三夜           熊川 暁子

    蓮枯れて一切青き天一枚           桑田 和子

    落葉掃く己が足跡消すやうに         志村 宣子

    玉砕の島より無数の夜這星          翠  雲母

    朝からのだんまり決めし母とかなかな     谷口 道子

    硝子越す灯のひえびえと義肢作り       田宮 尚樹

    尻尾で風切る象さん藷が好き         樽谷 寛子

    一族の出でては入りてつづれさせ       中嶋 飛鳥

    平和とはかくも山茶花日和かな        中田 武志

    地球と月同じ歳だ仲好しだ          中俣  博

    芒野の真っ只中に現世あり          西川 吉弘

    銀漢や人類二足歩行の日           西田 唯士

    云うことがいっぱいあって濁り酒       西谷 剛周

    病棟の大窓照らす秋夕焼           野村 朴人

    薄れゆく「女人禁制」鵙高音         橋本 昭一

    ひたすらの陳謝左右に秋暮れる        日原 輝子

    秋夕焼入れてバーボン飲みごろに       樋本 和恵

    田仕舞の煙をちこち峡の空          平井芙美子

    目力の抜け切ったりし捨案山子        堀竹 善子

    菊人形夜ごとの昔噺かな           本郷 公子

    そぞろ寒まつ直ぐに来て生き惑ふ       的場 秀恭

    鼻息の荒いアイロン文化の日         三好つや子

    象の耳木枯一号打ち返す           村田あを衣

    秋明菊昭和いろこき散髪屋          森口 和子

    万力の緩む時雁の数列            森本 突張

    ましら酒ほどに得難き出会ひかな       柳川  晋

    冬瓜のむすっと居据わる土間あかり     山崎よしひろ

    霧深きリフトの音を待ちにけり        山田由紀子

    水飲んで空気の変はる秋の空         吉田 成子

    象一頭飼うて愁思を追ひ出せず        吉村紀代子

    秋まつり神を迎へる木遣り節         和田 Y子

 (以  上)

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