関西現代俳句協会

平成24年度忘年会&第37回句集祭

 日 時 : 平成24年12月1日(土)、15時20分~19時40分
 会 場 : ホテルグランヴィア大阪、20階 名庭Aの間

 写真集はこちらをご覧下さい。

1.句集祭

 12月1日(土)、恒例の「忘年句集祭」を開催しました。

 豊田都峰会長の挨拶のあと、前田霧人広報部長よる司会進行、スクリーンによる句集紹介。披講は杉浦圭祐青年部長が担当しました。

 句集祭は、句集、エッセイ、画文集等、関西在住の会員が上梓された作品を展示、紹介させていただくものです。今年の出展作品は、宇多喜代子編、藤木清子全句集『ひとときの光芒』ほか18冊です。

 藤木清子全句集『ひとときの光芒』については、出版までに実に30数年もの年月を要した労作です。是非読んでいただきたい一冊です。

 久保純夫・久保るみ子句集『美しき死を真ん中の刹那あるいは永遠』の「あとがきにかえて」に ― 最後に流美子へ。私の人生に入ってきてくれて、ありがとう。あなたは賢いひとでした。「流美子、大好き、愛してる」。― と、お亡くなりになられました流美子さまへのメッセージがありましたが、お二人の俳句とともに深く感銘いたしました。

 時空俳句の和田悟朗句集『風車』は、今や世界中で巨大な「風車」を林立させ、太陽エネルギーから風力発電を行う時代であることを思慮しています。

 淡々と詠まれている吉田成子句集『日永』からは俳句の基本を学ぶことができます。宇多喜代子さんの跋に「さっぱりして、きっちりしている」とありますが、プラス、どなたにも心くばりを忘れない方です。読めば読むほど味わうことが出来る一冊です。

 ご夫妻で同時に出版された鈴鹿仁さん、鈴鹿百合子さん他、どの句集も秀作揃いで、日々の出会いの一句一句をまとめられた貴重な句集ばかりです。出展の中に駒沢木楽さんの遺句集『春をさがしに』がありましたが、ご冥福をお祈り申し上げます。

 句集紹介のあと、著者の皆さんにご挨拶を賜りましたが、句集に込められた それぞれの思いがひしひしと伝わってまいりました。ご出展いただきましたみ なさまにこころから御祝申し上げます。

2.理事会報告

①豊田会長より「第49回現代俳句全国大会」の報告と謝辞が述べられた。

②尾崎青磁事務局長からは、全国大会の事後処理等の報告がありました。

③平成25年4月7日(日)の「総会」と「関西俳句大会」について

 関西俳句大会については、全国大会の後始末などにより、準備期間が少なくなり取り止めになりましたが、代わりに講演会をすることになりました。講演者については早急に決定いたします。

④杉浦青年部長より「第23回現代俳句協会青年部シンポジウム」の報告がありました。

 伝統ある37年目の「句集祭」は若森京子副会長の挨拶により盛会裡に終了しました。来年もまた、多くの出版を期待いたします。(桑田和子・記)

3.忘年・懇親会

 三幕目の舞台はお待ちかねの懇親会である。司会は杉浦部長と桑田和子次長が務め、豊田会長の歓迎の挨拶、恒例の和田悟朗顧問による乾杯に始まり、宇多顧問のご挨拶や懇談と、これも恒例となった椅子席でのコース形式の食事を堪能した。定刻まで席を立つ方も少なく、吉田成子副会長の挨拶をもって七時間に近い今年最後の行事を締めくくった。(尾崎青磁・記)

第三十七回「句集祭」参加作品一覧
俳文画集『紅蜀葵』        杏中 清園
妻の座にどかりと座り新生姜
句集『直感』           石川日出子
補聴器を外しひとりになりいたり
句集『山恋』           いわたたけし
山恋の山に鷹の巣まだあるか
藤木清子全句集『ひとときの光芒』 宇多喜代子
ひとりゐて刃物のごとき昼とおもふ 藤木 清子
句集『美しき死を真ん中の刹那あるいは永遠』
                 久保 純夫・久保るみ子
七竈炎のなかの深眼         久保 純夫
遺句集『春をさがしに』      駒沢 木楽
内湖に映りし銀河掬ひたし
句集『神麓』           鈴鹿  仁
秋蟬の余分な刻は水となり
句集『天田屋文ヱ門』       中村ヨシオ
味噌十石醸し来たりて秋比叡
句集『良夜吟』          中村みづ穂
門前に注連の籾散る初雀
10 句文集『花ポピー』        山崎 隆司
裸婦像におびゆる女兒や花ポピー
11 句集『炎天は負うてゆくもの』   山中 西放
今朝の秋亀ならさっき駆け足で
12 句集『日永』           吉田 成子
次の世も桃になりたき桃の種
13 句集『風車』           和田 悟朗
太陽を拒むものなし寒の海
14 句集『伊丹公子全句集』      伊丹 公子
永遠は掌に乗るでしょうか 花梨の庭
15 句集『火星一滴』         茨木 晶子
染匠に火星一滴秋深む
16 句集『猫贔屓』          鈴鹿百合子
退屈をしつぽで書いて日向猫
17 句集『紫の詩暦』         藤岡 紫水
なかんづく一念一花寒椿 
18 句集『定景』           森田 智子
走馬灯真上から見る無神論